週間ドラマ寸評5 ドラマ(48)2012年1月30日
1月23日(月)〜1月29日(日)
視聴率動かぬ大河
NHK大河ドラマ『平清盛』が始まって1ヶ月となった。この間の関東地方の視聴率は、17.3%、17.8%、17.2%、17.5%と、一貫して17%台となっている。見る人は見る、見ない人は見ない、と決まっているようだ。
大河ドラマでは、織田信長・豊臣秀吉や源頼朝・義経あたりが主人公だと人気が出やすいように思える。平家は、何かと不人気である。これは「平家物語」などの影響といった歴史的背景がありそうである。源氏「いい者」、平家「悪者」観が日本人の心に根強く刷り込まれている。
大河ドラマは、たいていは、始まった当初は20%台になるものだが、初めから大台を割った理由の一つには、そんな先入観もあっただろう。(注、2007年以降、過去5年間の初回の視聴率は、21.0%、20.3%、24.7%、23.2%、21.7%)
それともう一つは、何と言っても主役を張るのが松山ケンイチさんということも大きいだろう。それほど美形でもなく、巷への浸透度もケンイチならぬイマイチである。
けれども、このドラマがつまらないかというとそうでもない。そのために視聴率も安定しているのだろう。
青年らしく、父・忠盛(中井貴一さん)の生き方に反抗している清盛が、少しずつ父を理解し成長していくという展開は、今のところ順調である。
なにぶん、この時代のことはよくわかっていないところもあるし、当方もあまり承知していない。それゆえ、ドラマの展開が目新しく、興味深いということもある。
妻も、今回は「面白い」と言っている。「江より面白い」と言っては、上野樹里さんファンの私に嫌われている。
大河ドラマは、1回あたり6千万円かかるそうである。その大半は出演料らしい。主役級が常に20人くらい出ている。まぁ、NHKでしかできないことだろうが、そういうことがあってもいいと思う。俳優を見ているだけでも楽しい。
たとえば持賢門院・璋子(たまこ)役の檀れいさんの人を食ったような演技なんかとても面白い。
また、セットにもずいぶんお金をかけている。ものすごく埃っぽいけど。
埃っぽいといえば、井戸敏三兵庫県知事が「画面が汚い」とクレームをつけたという問題。
政治家がドラマなどの作品にイチャモンをつけるということは困ったものである。彼らには自分が権力をもっているという自覚に欠ける。私たちや評論家が作品を評価するのとはわけが違う。
政治家がイチャモンをつけるということには二つの不都合がある。ひとつは、他の人と違って、政治的圧迫を与えることである。権力構造の中で現場に圧力を加えかねないのである。
二つ目は、政治家は世俗的な意図で批判するということである。井戸氏も観光的にまずいという下心があっての批判だろう。こういう意図における批判は、批判というよりもイチャモンである。
政治家をやりながら芥川賞の選者をやっていい気になっている、どこぞの知事よりはマシかもしれないが。
それはともかくとして、NHKがいうリアルな表現ということに、少し考察を加えたい。これは『龍馬伝』の時も言ったかもしれないが、現代の人からに見てのリアルとその当時の人が感じていたリアルとは違う、ということである。
現代から見れば、清盛のいた時代は、とても埃っぽく汚かっただろうということは想像に難くないし、おそらく真実であろう。しかし、当時の人から見れば、道路が埃っぽいのは当たり前だし、武家屋敷などは、貴族の御殿よりは汚かっただろうが、庶民から見ればものすごく立派に見えたことだろう。
私たちの世代が子どものころは、時代劇映画の既婚の女性は鉄漿(おはぐろ)をしていることが多かった。しかし、徐々に違和感を覚える人が多くなり、ある時、いっせいに鉄漿をやめた。それは正解だろう。江戸時代の人には何の違和感がなくても現代人には大有りである。
だから、リアルといっても、確かに時代劇の既婚の女性に鉄漿をさせたほうがリアルなのではあるが、その当時の感覚を現代に置き換えれば、鉄漿はないほうがリアルなのである。
『平清盛』では貴族に鉄漿をさせているが、このようなリアルさは、必要であろうか。
週間ドラマ視聴率ランキング
1月23日(月)〜1月29日(日)
大ヒットゾーン(20%以上)
25.0%(↑) NHK・土 カーネーション
ヒットゾーン(15%以上20%未満)
17.5%(↑) NHK・日 大河ドラマ 平清盛
16.9%(↑) フ ジ・月 ラッキーセブン
16.4%(↓) フ ジ・火 ストロベリーナイト
15.2%(↓) テレ朝・水 相棒10
合格ゾーン(10%以上15%未満)
14.0%(↑) 日テレ・土 理想の息子
13.8%(2) フ ジ・金 金曜プレステージ 浅見光彦43 還らざる道
12.9%(↑) TBS・木 最高の人生の終わり方
12.7%(↓) フ ジ・火 ハングリー!
11.8%(↓) フ ジ・木 最後から2番目の恋
11.6%(↑) TBS・日 運命の人
10.7%(↓) 日テレ・水 ダーティ・ママ
10.6%(新) テレ朝・木 科捜研の女(秋クールの続き)
10.0%(↓) フ ジ・土 早海さんと呼ばれる日
不振ゾーン(5%以上10%未満)
9.1%(↑) テレ朝・金 13歳のハローワーク
8.6%(↓) TBS・金 恋愛ニート
7.9%(↓) テレ朝・木 聖なる怪物たち
7.7%(↓) TBS・月 ステップファザー・ステップ
7.6%(単) NHK・土 キルトの家 前編
7.2%(新) NHK・火 タイトロープの女
6.5%(↑) NHK・火 本日は大安なり
5.7%(→) テレ朝・日 妄想捜査
深夜枠並みゾーン(5%未満)
4.1%(↓) 日テレ・木 デカ黒川鈴木(深夜番組)
3.7%(新) TBS・金 白土修の事件簿(深夜番組)
3.4%(↑) 日テレ・火 ティーンコート 10代裁判(深夜番組)
2.0%(新) TBS・火 家族八景(深夜番組)
1.0%(↓) 日テレ・水 数学・女子学園(深夜番組)
単:単発ドラマ
2:2時間枠ドラマ
視聴率動かぬ大河
NHK大河ドラマ『平清盛』が始まって1ヶ月となった。この間の関東地方の視聴率は、17.3%、17.8%、17.2%、17.5%と、一貫して17%台となっている。見る人は見る、見ない人は見ない、と決まっているようだ。
大河ドラマでは、織田信長・豊臣秀吉や源頼朝・義経あたりが主人公だと人気が出やすいように思える。平家は、何かと不人気である。これは「平家物語」などの影響といった歴史的背景がありそうである。源氏「いい者」、平家「悪者」観が日本人の心に根強く刷り込まれている。
大河ドラマは、たいていは、始まった当初は20%台になるものだが、初めから大台を割った理由の一つには、そんな先入観もあっただろう。(注、2007年以降、過去5年間の初回の視聴率は、21.0%、20.3%、24.7%、23.2%、21.7%)
それともう一つは、何と言っても主役を張るのが松山ケンイチさんということも大きいだろう。それほど美形でもなく、巷への浸透度もケンイチならぬイマイチである。
けれども、このドラマがつまらないかというとそうでもない。そのために視聴率も安定しているのだろう。
青年らしく、父・忠盛(中井貴一さん)の生き方に反抗している清盛が、少しずつ父を理解し成長していくという展開は、今のところ順調である。
なにぶん、この時代のことはよくわかっていないところもあるし、当方もあまり承知していない。それゆえ、ドラマの展開が目新しく、興味深いということもある。
妻も、今回は「面白い」と言っている。「江より面白い」と言っては、上野樹里さんファンの私に嫌われている。
大河ドラマは、1回あたり6千万円かかるそうである。その大半は出演料らしい。主役級が常に20人くらい出ている。まぁ、NHKでしかできないことだろうが、そういうことがあってもいいと思う。俳優を見ているだけでも楽しい。
たとえば持賢門院・璋子(たまこ)役の檀れいさんの人を食ったような演技なんかとても面白い。
また、セットにもずいぶんお金をかけている。ものすごく埃っぽいけど。
埃っぽいといえば、井戸敏三兵庫県知事が「画面が汚い」とクレームをつけたという問題。
政治家がドラマなどの作品にイチャモンをつけるということは困ったものである。彼らには自分が権力をもっているという自覚に欠ける。私たちや評論家が作品を評価するのとはわけが違う。
政治家がイチャモンをつけるということには二つの不都合がある。ひとつは、他の人と違って、政治的圧迫を与えることである。権力構造の中で現場に圧力を加えかねないのである。
二つ目は、政治家は世俗的な意図で批判するということである。井戸氏も観光的にまずいという下心があっての批判だろう。こういう意図における批判は、批判というよりもイチャモンである。
政治家をやりながら芥川賞の選者をやっていい気になっている、どこぞの知事よりはマシかもしれないが。
それはともかくとして、NHKがいうリアルな表現ということに、少し考察を加えたい。これは『龍馬伝』の時も言ったかもしれないが、現代の人からに見てのリアルとその当時の人が感じていたリアルとは違う、ということである。
現代から見れば、清盛のいた時代は、とても埃っぽく汚かっただろうということは想像に難くないし、おそらく真実であろう。しかし、当時の人から見れば、道路が埃っぽいのは当たり前だし、武家屋敷などは、貴族の御殿よりは汚かっただろうが、庶民から見ればものすごく立派に見えたことだろう。
私たちの世代が子どものころは、時代劇映画の既婚の女性は鉄漿(おはぐろ)をしていることが多かった。しかし、徐々に違和感を覚える人が多くなり、ある時、いっせいに鉄漿をやめた。それは正解だろう。江戸時代の人には何の違和感がなくても現代人には大有りである。
だから、リアルといっても、確かに時代劇の既婚の女性に鉄漿をさせたほうがリアルなのではあるが、その当時の感覚を現代に置き換えれば、鉄漿はないほうがリアルなのである。
『平清盛』では貴族に鉄漿をさせているが、このようなリアルさは、必要であろうか。
週間ドラマ視聴率ランキング
1月23日(月)〜1月29日(日)
大ヒットゾーン(20%以上)
25.0%(↑) NHK・土 カーネーション
ヒットゾーン(15%以上20%未満)
17.5%(↑) NHK・日 大河ドラマ 平清盛
16.9%(↑) フ ジ・月 ラッキーセブン
16.4%(↓) フ ジ・火 ストロベリーナイト
15.2%(↓) テレ朝・水 相棒10
合格ゾーン(10%以上15%未満)
14.0%(↑) 日テレ・土 理想の息子
13.8%(2) フ ジ・金 金曜プレステージ 浅見光彦43 還らざる道
12.9%(↑) TBS・木 最高の人生の終わり方
12.7%(↓) フ ジ・火 ハングリー!
11.8%(↓) フ ジ・木 最後から2番目の恋
11.6%(↑) TBS・日 運命の人
10.7%(↓) 日テレ・水 ダーティ・ママ
10.6%(新) テレ朝・木 科捜研の女(秋クールの続き)
10.0%(↓) フ ジ・土 早海さんと呼ばれる日
不振ゾーン(5%以上10%未満)
9.1%(↑) テレ朝・金 13歳のハローワーク
8.6%(↓) TBS・金 恋愛ニート
7.9%(↓) テレ朝・木 聖なる怪物たち
7.7%(↓) TBS・月 ステップファザー・ステップ
7.6%(単) NHK・土 キルトの家 前編
7.2%(新) NHK・火 タイトロープの女
6.5%(↑) NHK・火 本日は大安なり
5.7%(→) テレ朝・日 妄想捜査
深夜枠並みゾーン(5%未満)
4.1%(↓) 日テレ・木 デカ黒川鈴木(深夜番組)
3.7%(新) TBS・金 白土修の事件簿(深夜番組)
3.4%(↑) 日テレ・火 ティーンコート 10代裁判(深夜番組)
2.0%(新) TBS・火 家族八景(深夜番組)
1.0%(↓) 日テレ・水 数学・女子学園(深夜番組)
単:単発ドラマ
2:2時間枠ドラマ



